ISBN付与サービスを使うと出版社名と奥付はどうなる?
ISBN付与サービスを使うときは、まずISBNの登録出版者名が誰の名義になるかを確認してください。ISBNを付与する登録出版者名は、原則として奥付の発行所にも記載しますが、著者、発売者、著作権者とは別の役割です。サービスごとに表示例や契約条件が異なるため、ISBNの名義だけで権利や販売責任まで判断しないことが大切です。
ISBNの登録出版者名と奥付の発行所
ISBNは出版物を識別する番号で、番号の中には出版者を示す記号が含まれます。日本図書コード管理センターの利用の手引き(2025年版)は、奥付の発行所(出版者名)にはISBNの出版者登録名称を記載し、発行所連絡先にはISBNの登録連絡先を記載するよう求めています。書名・発行所・発行所連絡先・ISBNは、奥付に必要な基本項目です。
奥付では、発行人や発売者を発行所と別に記載する場合があります。発行者と、流通の責任を担う発売者が異なるときは、それぞれの名称と連絡先を記載します。著者名や著作権表記も役割が異なり、ISBNの登録名義に合わせて著者名まで変更するという意味ではありません。
| 奥付の項目 | 何を示すか | 確認すること |
|---|---|---|
| 発行所 | ISBNに登録された出版者 | 登録名義と表記が一致しているか |
| 発行所連絡先 | 登録出版者の所在・連絡先 | ISBN登録情報と対応しているか |
| 発売者 | 発行者と異なる場合の流通責任者 | 異なる場合、名称・連絡先が必要か |
| 著者 | 本文などの著作者としての表示 | 筆名・団体名を含め、本人の希望と契約を確認したか |
| 著作権表記 | 権利者や利用案内などの表示 | 表記だけで権利関係が決まると考えていないか |
ISBNの用意方法によって名義は変わる
自力で出版者登録する場合と、登録済み出版者のISBN付与を受ける場合では、ISBNに結びつく出版者名が異なります。また、プラットフォームが提供するISBNはそのサービス内で使う条件が設定されていることがあります。比較するときは、価格や番号の受け取り方だけでなく、奥付に記載する名称と、出版後に印刷・販売先を選べる範囲を合わせて見ます。
| 方法 | ISBNに結びつく出版者名 | 申込前に見る点 |
|---|---|---|
| 自分で出版者登録 | 登録した自分の出版者名 | 登録可能な名称・住所要件・公開情報・コード管理 |
| 登録済み出版者のISBN付与サービス | そのサービスの登録出版者名となる場合がある | 奥付の発行所と連絡先、発売者の表示、利用条件 |
| 出版プラットフォームのISBN | プラットフォームの規定による | 利用できる出版先、表示名、対象となる本の形式 |
たとえばブックパレットは、自社サービスの登録出版者名・発行所を「文彩堂出版」と公開し、著者その他の正当な権利者に著作権が帰属すると説明しています。また、同サービスでは著作権法上の出版権設定は不要と案内しています。これはブックパレットのサービス条件として確認できる内容です。他のサービスにも同じ名義や契約条件が適用されるとは限らないため、各社の利用規約と奥付見本を確認してください。
KDPの無料ISBNは「個人出版」と表示される
Amazon KDPの公式ヘルプでは、KDPの無料ISBNはKDPでのみ使用でき、出版社名は「個人出版」と表示されると案内しています。自分で用意したISBNは他の出版サービスでも使える場合がありますが、KDPに入力する出版社名はISBN登録機関に登録された情報と一致させる必要があります。対象形式などは変更される可能性があるため、出版時点のKDP「ISBNの取得」と「ISBNと出版社とは?」を確認してください。
この表示はKDPの無料ISBNに関する条件です。すべての個人出版物の奥付が「個人出版」になるという意味ではありません。また、KDPで無料ISBNを取得した後、別の印刷会社やプラットフォームでも同じ番号を自由に使えるわけではありません。出版先をまたぐ予定がある場合は、KDP無料ISBNを他の印刷会社でも使えるかを先に確認しましょう。
奥付を入稿する前の確認リスト
原稿や表紙を印刷用データにする前に、次をISBN付与元と照らし合わせてください。
- 登録名義:付与されるISBNの登録出版者名を確認する。
- 発行所の表記:奥付の発行所を登録名義どおりに記載する。
- 連絡先:発行所連絡先がISBNの登録情報と合っているか確認する。
- 発売者:流通を担う販売者が発行者と異なるなら、名称・連絡先の記載方法を確認する。
- 著者・権利:著者名や著作権者の表示、出版契約の条件を別に確認する。
- 販売先:Amazonなど各販売先で必要な出版者情報を確認する。
ISBNは識別子であり、権利を与えたり、権利の帰属を確定したりするものではありません。日本図書コード管理センターも、ISBNや奥付のコピーライト表記によって権利関係が担保されるものではないと明記しています。著作権や出版契約に関する個別判断は、奥付の記載例だけで済ませず、契約書の条件や必要な専門窓口を確認してください。
受付準備中のサービスについて
株式会社登紀わが検討しているISBN付与サービスは、現在準備中です。ISBN登録出版者名、奥付の条件、提供範囲、料金、開始時期は未確定です。準備状況はサービス概要でご案内しています。
住所や電話番号の公開範囲が気になる場合は、個人でISBNを取得すると住所や電話番号は公開されるかも参考にしてください。
情報確認日:2026年10月12日。ISBNの運用情報と各社の利用条件は更新されることがあります。申請・契約・入稿の前に、リンク先の最新情報と個別の規約をご確認ください。